焼き物・陶磁器の歴史を知って「食」を楽しもう!実用的なそば器
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100円ショップでも販売している陶磁器は、生活において欠かせない食器のひとつでもあります。
しかし、陶磁器の歴史は古く、1万6000年前の土器が起源。
土器の登場によって、煮物などの料理や貯蔵が可能になったと言われています。
そこで今回は、そんな日本の焼き物・陶磁器の歴史を解説します。
日常生活で手にする機会の多い陶磁器の歴史を知ることで、より食を楽しむことができるでしょう。
「焼き物初心者だけど、何を買うのがおすすめ?」「お手入れ方法も知りたい」という方もぜひ本記事をチェックしてみてください!
目次
焼き物とは?
焼き物とは、陶磁器のことを指しており、日本各地に産地のある工芸品です。
日常で使用される食器では主に陶器と磁器の2種類があり、両者とも本格的な窯が開かれたのは江戸時代といわれています。
陶器は「土もの」と呼ばれ、主な原料は粘土であり、高温に強いものの衝撃に弱いといったデメリットがあります。
ただし、焼き物特有の「温かみ」が感じられるのが陶器の特徴です。
磁器は「石もの」と呼ばれ、主な原料はガラス質。
陶器よりも強度があり、電子レンジや食洗機に対応している食器が多いのも特徴です。
はじめての焼き物としても、磁器は扱いやすいでしょう。
以下の記事では陶磁器の違いについて、詳しく紹介しています。
焼き物・陶磁器の歴史を紐解く
江戸時代に本格的な窯が開かれ、現在まで日本の食卓を彩る焼き物ですが、ここでは焼き物・陶磁器の歴史について詳しく解説していきます。
日本最古の焼き物は1万6500年前
日本古来の焼き物は陶器でも磁器でもなく土器であり、縄文時代のものが青森で見つかっています。
見つかった縄文土器は約1万6500年前と言われており、世界的の土器と比べても並外れて古いのが特徴です。
続く弥生時代にも弥生土器が見つかっており、土器の文化は一時的なものではなかったことが分かります。
陶磁器が日本で広まる
現在のような陶器が日本で作られはじめたのは、古墳・飛鳥時代と言われています。
陶質土器が朝鮮半島から伝えられ、日本では「須恵器(すえき)」として焼かれていました。
続く、奈良時代(7世紀)には、釉薬を表面にのせた陶器が焼かれるようになり、陶器の黄金期と呼ばれる鎌倉〜桃山時代に入ります。
鎌倉・室町時代には、焼き物が「瀬戸物」と呼ばれるように、愛知県の瀬戸で中国の製陶法を参考に祭器や食器などの陶器が焼かれました。
常滑・瀬戸・越前・信楽・丹波・備前の「六古窯」と呼ばれる窯元もこの時代に開かれ、日本の各地で焼き物が盛んになっていきます。
安土・桃山時代には、茶の場の流行りとともに焼き物にも日本の特色が出てきており、桃山時代末期には朝鮮から新たな技術が持ち込まれ、各藩も製陶に力を入れました。
さまざまな文化が繁栄した江戸時代には、焼き物文化も繁栄し、磁器が登場したのもこの江戸時代と言われています。
明治以降の焼き物の発展
明治初期には、日本全体が西洋文化を取り入れはじめ、焼き物でもドイツから石炭窯の焼成や着彩技術などの技術が導入されました。
陶磁器の研究や教育も行われることになり、焼き物の量産化が可能となった時代です。
また、陶磁器の輸出も行われるようになり、万博博覧会で日本のデザインが人気となりました。
さらに、19世紀後半から20世紀初頭にかけて欧米を中心とした「日本趣味=ジャポニズム」によって、海外の焼き物にも大きく影響を与えたと言われています。
そんななか、1926年(大正15年)には柳宗悦を筆頭に民藝運動が行われ、焼き物や漆器、染め物などの“用の美”が注目されました。
民藝運動以降に誕生した窯元も存在し、島根県出雲にある出西窯もそのひとつです。
民藝運動に感化された5人青年によって開かれ、今では数十名の作家が共同でくらしの道具を作っています。
江戸時代から存在する焼き物「そば器」
歴史の長い焼き物ですが、お皿やマグカップといった食器から鑑賞用の花瓶や壺まで作品は幅広いです。
そのなかでも、はじめての焼き物としておすすめなのが、そばを食べるときに使用する「そば器」。
主に、ざるそばを盛りつける「盛り皿」やそばつゆを入れる「蕎麦猪口」や「そば徳利」、ねぎやわさびなどを盛る「薬味皿」を指しており、すでに自宅にある方も少なくないでしょう。
江戸時代に庶民の間で人気となったそばは、当時からそば器が使われていたと言われており、江戸時代後期の風俗を記した「守貞漫稿(もりさだまんこう)」でも、そばを食べる際に蕎麦猪口のような器を用いて食べていたことが記されています。
そんなそば器の盛り皿は唐揚げや炒めものを盛るお皿として、薬味皿はお漬物などちょっとした付け合せを入れるお皿としても大活躍です。
特に、もともと上流階級のお膳の向こう付けのような役割をしていたと言われている器がそばの普及とともに用途が変わっていったことから、江戸時代には「雑器」として重宝されていたと言われています。
「焼き物が気になる!」「ほしいな〜」という方はぜひ、そば器からチェックしてみてください!
陶器の正しい使い方・お手入れ方法
現在多く作られている焼き物には、主に陶器と磁器の2種類がありますが、使い方やお手入れに注意が必要なのは陶器です。
自宅で陶器を使用する際は、以下の注意点があります。
- 陶器を水に浸してから使用する
- つけ置き洗いはしない
- よく乾かして収納する
- 硬いスポンジやタワシ、クレンザーを避ける
- がんこ汚れは重曹や塩を使う
陶器は焼き上がった際に、内部に小さな気泡ができるため、スポンジのように水分が染み込みやすくなっています。
そのため、使用する前は5分程度水に浸しておき、匂いや色移りを防ぎましょう。
同様の理由からつけ置き洗いはせず、使用後はすぐに洗い、カビの原因にもなる水分をよく乾かしてから収納します。
また、硬いスポンジやタワシ、表面を削る恐れのあるクレンザーなどの使用もカビの原因になるため避けましょう。
通常は食器用洗剤と柔らかいスポンジを使用して洗い、油汚れやにおいは重曹を、色移りは塩を使うことでキレイになります。
以下の記事では、陶器の蕎麦猪口の使い方として、陶器のメンテナンスや扱い方を詳しく紹介しています。
そば器はどうやって手に入れる?買う?作る?
現代の暮らしにおいても便利なそば器ですが、好きな窯元やショップで購入するも良し、陶芸が気になる方は作ってみるのもおすすめです。
窯元やオンラインで購入する
日本各地にある窯元やポップアップストアで購入してみてはいかがでしょうか。
窯元は日本中にあり、大きな窯元から個人作家さんが営んでいるものまで豊富です。
有田焼や備前焼、出西焼などで有名な窯元は、国内旅行の際に自分へのお土産として購入しても良いでしょう。
「近くに窯元がない」「できるだけ早くほしい」という方は、自宅で選んで気軽に購入できるオンラインショップの利用がおすすめです。
実際に手にとって見ることはできませんが、自宅まで届くため「持って帰るときに割れたらどうしよう」といった心配もありません。
陶芸に挑戦する
また、陶芸に挑戦して自分で作る方法もおすすめです。
逆もしかり、「陶芸をしてみたい!」という方は、まずそば器に挑戦してみてはいかがでしょうか。
盛り皿・蕎麦猪口・そば徳利・薬味皿は日々の生活で使いやすいとともに、初心者でも作りやすいことも特徴です。
陶芸教室でなく、1日だけの陶芸体験などでも作れるため、チェックしてみてください。
そば器×ちょっと贅沢な無添加「出雲そば」
お気に入りの焼き物やそば器を手に入れたら、ぜひいつもよりちょっと贅沢な食事を用意してみましょう。
そこで、ここではお気に入りのそば器で食べたい、無添加出雲そばをご紹介します。
縁起の良い行事で食べられていた出雲そば
日本三大そばのひとつである「出雲そば」は、島根県出雲に伝わる伝統料理です。
出雲では旧暦10月を「神無月」でなく「神在月」と呼び、「神在祭」が行われます。
古くから執り行われている神在祭では、昔から神社の周辺にそば屋が並び、庶民は温かい釜揚げそば(出雲そば)を楽しみに食べていたと言われています。
神秘的で縁起の良い行事で食べられていた出雲そばは、栄養価も高く、健康祈願や長寿祈願、健康習慣の一環としても積極的に取り入れたい食材です。
無添加なら自宅でそば湯までおいしい!
栄養価の高い出雲そばの恩恵を受けるなら、そば湯まで安心して楽しめる無添加の商品を選びましょう。
挽きぐるみ製法によって作られる出雲そばは、そばの実の栄養が余すことなく練り込まれた黒っぽい麺が特徴的です。
しかし、ビタミンB1やB2といった水溶性の栄養は茹で汁に流れ出てしまいます。
そのため、最後に「茹で汁=そば湯」も一緒に頂くのがおすすめです。
保存料や食品添加物が使用されていない、無添加の出雲そばであれば、余計な成分が流れ出る心配なくおいしく頂けます。
「そば湯を飲むのが苦手…」という方も、そば豆腐やガレット、クレープにと簡単にアレンジできるため、以下の記事を参考に挑戦してみてください。
無添加出雲そばなら「本田屋」
お気に入りのそば器とともに、無添加出雲そばを自宅でたのしみたいなら創業百余年の「本田屋」にお任せください!
本田屋では、原材料がそば粉と食塩のみの十割そばから、国産そば粉を使用した五割そば、ツルッとしたのどごしを楽しみたい方におすすめの三割そばなど、バリエーションも豊富です。
さらに、「より本格的に食べたい」「いざというときのために備蓄しておきたい」などのニーズに応えるため、生そばと干しそばもご用意しています。
それぞれ、賞味期限は製造日から常温で180日(生そば)と365日(干しそば)なので、おすそ分けや仕送り、ギフトにもぴったりです。
季節限定商品や期間限定商品も随時登場しているため、一度チェックしてみてください!
歴史ある焼き物で食卓を彩ろう!
今回は、日本の焼き物・陶磁器の歴史から江戸時代に登場したそば器までご紹介しました。
1万6000年前の縄文土器から平安時代、焼き物の黄金期である鎌倉・室町時代を迎え、安土・桃山時代には茶器などの日本らしい作品も生まれています。
江戸時代の文化の繁栄によって、庶民が楽しむ食事も増え、同時にそば器などの陶磁器の食器の種類も豊富になりました。
明治以降は西洋の文化を取り入れたデザインも豊富になり、大正時代には民藝運動によってくらしの道具の“用の美”が謳われ、手作りの陶磁器に再び光が差しました。
今ではプラスチックなどの割れにくい食器が安く購入できる時代ですが、歴史ある焼き物にこだわりの食材を盛り付けて食卓を彩ってみるのも良いですね。