そばつゆとめんつゆの違いは?原材料や味の違いなどを解説!
お蕎麦辞典そばつゆそばの豆知識ブログ
そばつゆは、ざるそばをいただくときに欠かせないもののひとつ。
口の中でそばの風味と醤油の味わいがハーモニーを奏で、重層的なおいしさが広がります。
そばの魅力を何倍にもアップさせるそばつゆですが、そうめんなどに使われるめんつゆとの違いは何でしょうか?
そばつゆとめんつゆの違いを分かりやすく解説。
そばつゆの意外な歴史までぐぐっと深掘りしています。
目次
そばつゆとめんつゆの違い
スーパーなどでも売られているそばつゆとめんつゆは、同じような茶色でそれほど違いがないように思いがち。
原材料は似ているものの、味わいが異なるのがそばつゆとめんつゆです。
そこでここでは、原料・味・使い方・保存方法の違いについて紹介します。
原料の違い
原材料はどちらも、醤油・みりん・砂糖・出汁の4種類がメインの原材料であることが一般的です。
原料に大きな違いはありません。
しかし、作る際の分量が異なり、そばつゆは出汁が少なめで醤油が多めであることが多く、めんつゆは逆に出汁が多いのが特徴です。
市販のめんつゆとそばつゆの原料を比較
めんつゆや出汁で人気のヤマキでは、「めんつゆ」と「そばつゆ」をそれぞれ展開しています。
そこでここでは、実際の原材料を比較してみます。
めんつゆ500ml (2倍濃縮) |
しょうゆ(小麦・大豆を含む、国内製造)、ぶどう糖果糖液糖、食塩、砂糖、かつおぶしエキス、ふし(かつお、そうだかつお)、たん白加水分解物、醸造酢、魚介エキス、酵母エキス、デキストリン / 調味料(アミノ酸等)、アルコール |
ストレート そばつゆ500ml |
しょうゆ(小麦・大豆を含む、国内製造)、砂糖、食塩、かつおぶしエキス、かつおぶし(国内製造)、そうだかつおぶし(国内製造)、醸造酢、酵母エキス、デキストリン / 調味料(アミノ酸等) |
(引用:ヤマキ株式会社公式HP|めんつゆ500ml|ストレートそばつゆ500ml)
醤油や食塩、砂糖のほかに「ふし」やかつおぶしといった出汁が入っていることも共通していますが、そばつゆはめんつゆに比べて砂糖や食塩の表記が前のほうであることが分かります。
また、2倍濃縮のめんつゆとストレートのそばつゆでは、ストレートのそばつゆのほうが原材料がシンプルな印象です。
添加物であるアルコールが含まれていないのも大きな違いではないでしょうか。
【食品添加物】日本と海外を比較したい!禁止されている添加物が使われているってホント?
味の違い
めんつゆは、出汁が多いため甘みや塩分も控えめですが、そばつゆは全体的に味が濃いめです。
そばの力強い風味に負けないよう、そばつゆは醤油の味わいがしっかり利いているのが特徴です。
そばつゆだけを舐めると、少し辛いと感じるほど濃いめの味わいとなっています。
一方、めんつゆは醤油よりもかつお出汁の風味が利いており、奥行きのある味わいが特徴です。
うどんやそうめんなど小麦粉で作られる麺はあっさりとした淡白な味わいなので、出汁の香るつゆがよく合います。
めんつゆ自体を舐めてみても、塩辛さより出汁のまろやかな風味が堪能できます。
使い方の違い
そばつゆはそば専用のつゆ、めんつゆはそば以外の麺類用のつゆです。
めんつゆはそば以外の麺類でも使えることから、めんつゆを常備している家庭も多く、市販でもめんつゆのほうが商品の種類は多いでしょう。
本格的なめんつゆを作る場合は、醤油・みりん・砂糖で作った「かえし」とかつおぶしなどで取った「だし」を混ぜて作るため、2つの割合を変えることでめんつゆにもそばつゆにも変化させることができます。
それぞれに違いがある両者ですが、どちらも料理の味付けにも使うことのできる万能調味料です。
めんつゆを使った簡単アレンジレシピ!基本の料理から「かえし」を使ったレシピも紹介
保存方法の違い
めんつゆもそばつゆも、市販のものであれば開封後は冷蔵庫で保存し、できるだけ早く使い切りましょう。
特にストレートのつゆは、濃縮タイプよりも傷みが早いため気をつける必要があります。
また、醤油やみりんなどの調味料と比べてめんつゆやそばつゆはアミノ酸が豊富であり、塩分・糖分・アルコール分の少ない調味料であるため、ほかの調味料と比較しても賞味期限が短いといった特徴があります。
ついつい賞味期限を切らしてしまいがちですが、おいしく味わうためにも開封後は早めに使い切るようにしましょう。
先述したように、めんつゆやそばつゆは万能調味料のため、さまざまな料理に使えます。
もし、開封してから時間が経ってしまいそうなときは料理に使ってみてください。
そばの種類で変化するそばつゆ
ここまで、めんつゆとそばつゆの違いを紹介してきましたが、そばつゆのなかでもそばの違いによって味わいが異なることがあります。
江戸時代に生まれた老舗のそばには「更科そば」「藪そば」「砂場そば」という3つの系統があり、その3つをまとめて「御三家」と呼んでいます。
更科そば |
そばの実の中心部分となる一番粉を使用しているため、白くて滑らかかつ上品な味わいが特徴 |
藪そば |
そばの実の甘皮部分の色である緑色の麺が特徴的 |
砂場そば |
更科そばと同様に一番粉を使っているため比較的白めの色 |
そばの特徴に伴ってそばつゆも御三家独自の方向性があり、「更科そば」は甘口で濃厚、「藪そば」はしっかり辛め、「砂場そば」は更科と藪の間ぐらいの味わいだと言われています。
更科そばと藪そばのつゆの辛さは明確で、同量のつゆであっても醤油の量は2倍近くも違うのだとか。
なぜなら、藪そばは茹で上がったそばを水でしめた後、ほとんど水気を切らずに濡れた状態で提供されるため、つゆが薄まってしまうことを前提に考えられているからです。
そばの特徴とつゆの味わいは一体だということが分かります。
挽きぐるみが特徴的な出雲そばのつゆ
御三家のそばつゆについてご紹介しましたが、日本三大そばの1つに「出雲そば」があります。
出雲そばは、挽きぐるみと呼ばれるそばの実を丸々挽いた製法で作られており、色の濃い殻も一緒に練り込まれているため、更科そばと対極にある黒っぽい麺です。
そんな出雲そばのつゆは、一般的なそばつゆよりも砂糖やみりんの甘さが強い、甘辛い味わいです。
よく聞く「挽きぐるみ」そばの製粉で風味や香りが全く異なる!
江戸時代のそばつゆは現代とはひと味違っていた?
江戸時代に団子状のそばがきから麺状のそば切りへと発展し、世間に広く浸透していったそば。
当時からそばつゆも用いられていましたが、どうやら現代とは違った味わいのそばつゆだったようです。
江戸時代初期に書かれたといわれる『料理物語』という書籍では、そばつゆはなんと味噌と水から作られる「垂れ味噌」もしくは「煮貫」に薬味を加えたものである、と残されています。
「垂れ味噌」とは味噌に水を加えて煮詰め、布袋に入れてこしたもので、「煮貫」とは「垂れ味噌」に削った鰹節を加えて煮詰め、こしたものを指します。
薬味には花がつお、大根おろし、あさつきを加え、ここに辛しやわさびを入れるのも良いと書かれているようです。
『料理物語』から100年以上を経て書かれたとされる『蕎麦全書』では、さらにそばつゆが変化した様子が分かります。
味噌ベースと醤油ベースの2通りがあり、味噌ベースは垂れ味噌に酒と削り節を加えて煮詰め、こした後に塩とたまり醤油で味を調えたもの、醤油ベースは醤油と酒、水を合わせて弱火にかけたものです。
なお、醤油ベースにかつお出汁を加えても良いと書かれているようです。
その後どのようないきさつで醤油ベースのそばつゆが普及したかは定かではありませんが、そばつゆにはなんとも興味深い歴史があります。
関東・関西でみる「そばつゆ」の味の違い
つゆ付の商品の本場の出雲そばを味わおう!
ここまで、そばの種類によって異なるそばつゆの味わいや、そばつゆの歴史までご紹介しました。
そこで、最後に本格出雲そばを製造・販売している本田屋のそばつゆ付きのおすすめ出雲生そばをご紹介します。
「そばをおいしく食べたいけど、自宅にめんつゆしかない」「本格的な出雲そばには、出雲そばのつゆで食べたい」という方におすすめの商品です。
奥出雲生蕎麦2人前つゆ付
本田屋は創業百余年の歴史があり、培った技術を出雲蕎麦づくりに活かしています。
そんな、本田屋の定番・人気商品のひとつである、「奥出雲生蕎麦2人前つゆ付」は、希少な島根県産そば粉と国産小麦粉を使用した五割そばです。
お届け後、すぐにお召し上がり頂けるよう、1袋に2人前の生麺と2人前の濃縮そばつゆが同封されています。
冷たいそばの付けつゆとしても。温かいそばのかけつゆとしてもお使い頂ける出汁を効かせたそばつゆです。
ぜひ、お好みの食べ方でお召し上がりください。
出雲十割そば2人前つゆ付
「出雲十割そば2人前つゆ付」は、希少な島根県産そば粉を100%使用した十割そばです。
少し贅沢な十割そばに同封されているつゆも厳選した原料を使用しています。
原材料 |
醤油(本醸造)(小麦・大豆を含む)、砂糖、発酵調味料、濃縮かつおだし、食塩、米黒酢、かつお削りぶし、宗田かつお削りぶし、昆布 |
出雲そば特有の甘くて濃厚なそばつゆに仕上げています。
無添加の十割そばは、そば湯に余計なものが流れ出ていないため、とろとろでおいしいです。
そば湯に甘めのそばつゆを少し入れて、味を変えて楽しむのもおすすめです。
そば湯は飲むべき?たっぷり含まれる栄養やおいしい飲み方とは
まとめ
そばつゆとめんつゆの違いを分かりやすく解説しました。
そばつゆとめんつゆの主な違いは、味の濃さです。
そばつゆは醤油や砂糖が多く配合され、しっかりとした味わいですが、そばつゆは出汁が多く配合されており、味の濃さよりも旨味に注目されます。
両者の原材料自体は大きく変わることはありませんが、配合される量が異なることで味わいや用途が変わってきます。
また、江戸時代のそばつゆは味噌ベースであり、醤油の生産量が増えていくとともに醤油ベースのつゆができたという背景がありました。
気軽に手に入るめんつゆですが、「そばを食べるときはそばの香りに負けないそばつゆで食べたい!」という方もいるでしょう。
そんなときは、そばつゆ付きの商品を選ぶことでそばつゆとめんつゆ2つを持っていなくても、おいしい本格そばが食べられます。
本田屋の無添加出雲そばは、お土産屋差し入れにもおすすめの商品なのでぜひチェックしてみてください。