かけそばを美味しくするつゆの基本。余ったつゆのアレンジ方法も紹介
お蕎麦辞典そばつゆそばの豆知識ブログ
目次
かけそば用のつゆに必要なかえしとダシ
かけ蕎麦で使用するつゆの基本や、ざる蕎麦との違い。
地方によって使用する材料の違いなど、美味しくかけ蕎麦を食べるために必要なつゆの基本を紹介します。
かけそばのつゆの黄金比
美味しいかけ蕎麦のつゆは、かえしとダシによって構成されます。
かえしとは「煮返し」が略されたもので、蕎麦つゆの他、すき焼きやラーメンなどでもスープを入れる前のタレのことをかえしと呼ばれることがあります。
醤油はそのままですと、味に角があり口当たりが強いのですが、かえしとして調合してから1週間ほど寝かすことでまろやかな味になります。
かえしには、加熱した醤油と合わせる本かえし、非加熱の醤油を使う生かえしなどがあります。
かえしはみりん:砂糖:醤油=1:1:5、かえしとダシの比率は、かえし:ダシ=1:8が黄金比と言われています。
ざるそばとかけそばの違い
かけ蕎麦では、かえし:ダシの割合が1:8が目安です。
つゆに少しつけてすするもり蕎麦やざる蕎麦では、もう少しパンチが欲しいところ。そこで、かえしの割合を増やして、かえし:ダシ=1:3などに調整します。
地方によるかけそばのつゆの違い
関東風、関西風では、かえしを作る際の醤油の種類と量に違いがあります。
関東ではみりん:砂糖:醤油=1:1:5で作られることが多く、関西では1:1:2ぐらいに醤油の量を落として使用します。
また、関東では濃口醤油、関西では淡口醤油を使用することが一般的です。
かけそば用のつゆを自宅で作る方法
自宅で蕎麦屋さんのような美味しいつゆを作るための方法を紹介します。
市販のめんつゆで作る方法と、一から作る方法を解説しましょう。
創業百余年本田家に代々伝わる特製そばつゆのレシピを公開!
市販のめんつゆで作るポイント
蕎麦屋さんで提供されるかけ蕎麦のつゆには、かなりしっかりした削り節に由来するうまみがあります。
しかし、市販のめんつゆは長期保存を可能にするために、ダシは魚由来のうまみ成分を抑えるように工夫されています。
そのため、濃縮のめんつゆをそのまま水で割ると何か物足りなさを感じることも。
そこでかけ蕎麦のめんつゆを作る際には、水やお湯ではなく、ダシを使って薄めることでコクのある味わい深いめんつゆになります。
一から作るこだわりのめんつゆ
めんつゆに必要なかえしとダシをそれぞれ作ります。
・かえし
- 材用:濃口醤油1000cc、本みりん260cc、砂糖250g
- 本みりんを鍋に入れ、弱火でアルコールを飛ばします。
- 砂糖を加えて沸騰しないように溶かします。
- 濃口醤油を加えて、沸騰しないように煮詰め、表面に灰汁が出始め、85℃になったら火から下ろします。
- 灰汁を取り除き、冷めたら沸騰消毒した容器に入れ、冷暗所で1週間寝かしたら完成です。
・ダシ
- 材料:鰹節50g、宗田(またはサバ節)50g、昆布10cm角1枚、水1000cc
- 水と昆布を鍋にいれ1時間おきます。
- 水と出しの入った鍋に火をかけ10分ほどかけて沸騰する所まで煮て、沸騰する寸前で昆布を取り出し、鰹節をいれて10分煮込みます。
- 火を止めて鰹節が沈むのを待ち、ざるやキッチンペーパーで漉します。
- 冷めたらダシを容器に入れれば出来上がりです。
かえしとダシを併せて蕎麦つゆを作ります。
ざる蕎麦(冷たい蕎麦)では、かえし1:ダシ3、かけ蕎麦(温かい蕎麦)ではかえし1:ダシ8の割合で合わせます。
かけそばのつゆのアレンジレシピ
自前で蕎麦つゆを用意して、もし余ったら捨てるのはもったいない!
蕎麦以外の料理に活かすレシピを紹介しましょう。
北海道の定番「かしわ抜き」
北海道では定番と言われる「かしわ抜き」は、天ぷら蕎麦の蕎麦抜きである「天抜き」と同じく、かしわ蕎麦から蕎麦を抜いた、鶏肉の煮込みのような一品。
・材料(一人分)かけ蕎麦つゆ1杯分、鶏肉80g、長ネギ1本
- 鶏肉を薄くスライスし、長ネギは6cmぐらいに斜め切り。
- 暖めた蕎麦つゆに鶏肉と長ネギを入れて、アクを取りながら煮込みます。
- お好みで一味やごまを足して出来上がり。
そばつゆで炊き込みご飯
蕎麦つゆの風味を活かした炊き込みご飯。蕎麦つゆに入れていた材料もそのまま活かします。
・材料:米
米をとぎ、白米と同量の蕎麦つゆをいれて、炊き上げるだけ。
手羽元ねぎの煮物
手羽元にかえしの味がしっかり染みこんだ一品。
・材料(二人分):手羽元6本、長ネギ1本、余った蕎麦つゆ300cc、はちみつ大さじ1、酒大さじ1、みりん大さじ1、味噌大さじ1/2、片栗粉大さじ1、お水大さじ1
- ネギは3cmほどに切り、蕎麦つゆを鍋にかけ、手羽元、お酒を入れて煮ます。
- 沸騰してきたらネギを入れ、はちみつ、味噌、みりんも加え、落としぶたをして、15分ほど煮ます。
- 水溶き片栗粉を入れとろみをつけたら完成。
美味しいつゆで絶品のかけそばを食べよう
かけ蕎麦は、蕎麦と一緒につゆを飲むことが多いだけに、その味わいがかけ蕎麦のおいしさを大きく左右します。
蕎麦自体にもこだわったのなら、ぜひつゆにも一手間加えて、かけ蕎麦をより美味しく頂きましょう。