出雲そばの老舗「本田屋」がおすすめ!出雲そばにピッタリな薬味を紹介
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日本三大そばのひとつ、島根県の出雲そば。
出雲そばを購入した方のなかには、「どうせ食べるならおいしい食べ方で食べたい!」そう思う方も少なくないでしょう。
そこで今回は、島根県で出雲そばを製造・販売している「本田屋」が、出雲そばの良さを損なわず、おいしく食べられる薬味を解説します。
また、「そばの喉ごしや香りをたのしみたいけど、いつもと違った食べ方をしたい!」という方へ、冷・温別でおすすめの薬味をご紹介。
薬味に使う食材の栄養を理解しながら、心も体も喜ぶそばを目指しましょう!
目次
出雲そばにおすすめの薬味はこの3つ!
日本三大そばのひとつの出雲そばは、「玄そば」と呼ばれる殻のついたそばの実を挽いて作られます。
そばの実が余すことなく練り込まれる製法は、 そばの食感やこし、風味がより一層たのしめるのが特徴です。
そんな出雲そばですがここでは、そばの食感やこし、風味の邪魔をしないおすすめの薬味を3つご紹介します。
長芋・とろろ芋
(画像出典:写真AC)
出雲そばと一緒に長芋・とろろ芋を食べることで、つるつる食感をプラスして食べやすくなります。
出雲そばは、そばの実を丸々引き込んだ「挽きぐるみ製法」という製法で作られるため、「食感がモソモソしている」と感じる方もいるでしょう。
長芋・とろろ芋を薬味として加えることで、出雲そばのモソモソ感を克服し、食べやすくしてくれます。
長芋の栄養
長芋は、アミラーゼ・ジアスターゼといった消化酵素が豊富に含まれている食材です。
アミラーゼは熱に弱いため、加熱をしない調理方法が推奨されます。
そのため、すりおろしてとろろとして食べる方法は、胃腸の消化を助ける食べ方と言えるでしょう。
熱々のお蕎麦よりも、冷たいお蕎麦に加えて長芋の効果を効率良く取り入れたいところです。
もみじおろし
(画像出典:写真AC)
出雲そばは「甘辛いつゆ」が特徴的なため、もみじおろしの辛みとの相性が抜群です。
辛みをプラスする薬味として、わさびが主流ですが出雲そばの甘辛いつゆには大根・唐辛子の辛みもよく合います。
また、そばの風味を消すこともないためそば好き・そば通にもおすすめです。
もみじおろしの辛みによって、食欲も増進すること間違いないでしょう。
大根・唐辛子の栄養
大根には、消化酵素が豊富に含まれており、胃腸のはたらきを助けてくれる効果があります。
葉に近い部分には、酵素オキシダーゼが含まれており発がん物質を抑制させる効果も。
唐辛子の辛み成分のカプサイシンには、発汗作用があり体脂肪の燃焼にも効果的です。
また、唐辛子にはβ-カロテン・ビタミンC・ビタミンEも多く含まれているため、女性にうれしい美肌効果も期待できます。
ねぎ
(画像出典:写真AC)
出雲そばに限りませんが、そばのつるつる食感にねぎのシャキシャキとした食感が加わります。
いつもより多めのねぎを入れるのが、本格出雲そば「本田屋」のおすすめの食べ方です。
ねぎは、そば本来の香りとも相性がよく、ほかの薬味とも相性抜群です。
最後まで飽きることなく食べられる代表的な薬味と言えるでしょう。
ねぎの栄養
薬味の代表とも言えるねぎですが、白い部分にはビタミンB1の吸収を高める効果のあるアリシンが含まれています。
ビタミンB1の吸収を高めることで、疲労回復・血栓予防・ストレス解消・不眠解消など、多くの効果が期待できるでしょう。
緑の葉の部分には、ビタミン・ミネラル類が多く含まれているので、白い部分とともに刻んで入れることでより多くの栄養を取ることができます。
ねぎをたっぷり入れて、そばをたのしみましょう。
そばの薬味に欠かせないねぎ!どんな種類が合う?栄養成分にも注目!
冷たいお蕎麦におすすめの薬味5選
(画像出典:写真AC)
続いて、そばの風味・コシ・喉ごしを最大限にたのしむというよりも、いつもと違ったそばの食べ方に挑戦したい方におすすめの薬味をご紹介します。
まずは、春や夏に食べたい「冷たいお蕎麦」におすすめの薬味をピックアップしました。
梅干し
(画像出典:写真AC)
冷たいお蕎麦には、梅干しで酸味をプラスするとよりさっぱりとおいしく食べられます。
豊富に含まれるクエン酸は、糖質の代謝を促し発生する乳酸の分解までも行ってくれる成分です。
体内に乳酸が溜まると疲労を感じますが、梅干しはその乳酸までも分解するため、疲労回復の効果も期待できます。
また、有機酸であるりんご酸・コハク酸・酒石酸や、ビタミン・ミネラルなどもほかの食品と比べても豊富です。
二日酔いにも効き目があるため、飲みすぎた翌日には梅干しを入れた冷たいお蕎麦で胃腸を休ませてみてはいかがでしょうか。
夏バテで栄養が偏りがちな日々の救世主となるでしょう。
すだち
(画像出典:写真AC)
冷たいお蕎麦には、スライスしたすだちをたっぷりのせた「すだち蕎麦」がおすすめです。
すだちの旬は8月〜10月と、冷たいお蕎麦が食べたくなる季節の旬の食材のひとつ。
美肌効果も期待できるビタミンCの量は、レモンよりも豊富とも言われています。
ビタミンCのほかに、クエン酸・カリウム・ビタミンE・ビタミンP・カロテンなど、体が喜ぶ栄養素がギュッと詰まった食材です。
皮をしっかり洗って、薄くスライスした冷たいお蕎麦は見た目も涼しげなため、食卓が映えることも間違いないでしょう。
オクラ
(画像出典:写真AC)
6月〜9月に収穫を迎えるオクラも、冷たいお蕎麦の時期に取り入れられる旬のお野菜です。
ねぎ同様に、シャキシャキとした食感が一緒にたのしめる組み合わせ。
オクラの粘り成分のペクチンは、整腸作用や血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。
そば粉の割合の多い、十割そばや二八そばも血糖値の上昇を抑える効果があるため、相性の良い薬味です。
ムチンも粘り成分のひとつであり、たんぱく質の吸収を助ける役割を担います。
そばに含まれるたんぱく質を効率良く吸収したい方にもおすすめの薬味です。
みょうが
(画像出典:写真AC)
冷たいお蕎麦にはぜひ、独特な香りが魅力的なみょうがを合わせてみてください。
みょうがの香り成分はα-ピネンで、食欲増進・消化促進などの作用があります。
女性必見の、月経不順・月経痛などの改善にも期待できる食材です。
旬の時期が6月〜10月と長いため、夏バテ予防や夏バテ回復時にみょうがを入れた冷たいお蕎麦を食べてみてはいかがでしょうか。
大葉
(画像出典:写真AC)
みょうがや梅干しなど、ほかの薬味との相性の良い大葉も、夏に旬を迎える薬味です。
香りが高いため、そばの風味をたのしみたい方は少量ずつ入れてたのしみましょう。
大葉には、抗酸化作用が期待できるβ-カロテンが非常に多く含まれています。
また、特徴的な爽やかな芳香成分には、胃酸を整えて食欲を増進させる作用も。
収穫時期は7月〜10月と、冷たいお蕎麦がおいしい季節に旬を迎えます。
暑い日が続き、食欲のない日には冷たいお蕎麦に大葉を入れて、つるっといただきましょう。
温かいお蕎麦におすすめの薬味3選
(画像出典:写真AC)
続いて、「温かいお蕎麦」におすすめの薬味を3つご紹介します。
大根おろし
(画像出典:写真AC)
温かいお蕎麦には、11月〜2月と寒い季節に旬を迎える大根がおすすめです。
大根には、消化酵素が豊富に含まれ、胃腸のはたらきを助けてくれる効果があります。
そのため、食べ過ぎ・飲み過ぎが気になる日々が続いた際は、温かいお蕎麦の薬味としてたっぷり取り入れてみてください。
大根の選び方は、表面につやとハリがあり、ずっしりと重いものがおいしいです。
大根おろしの辛みをたのしみたい方は大根の下の方をすりおろし、小さな子どもや辛み成分が苦手な方は、上の方をすりおろすことで食べやすくなります。
生姜
(画像出典:写真AC)
体をポカポカに温めてくれる生姜も、温かいお蕎麦におすすめです。
体を温める成分には、ジンゲロールやショウガオールなどがあり、冷えの改善・殺菌作用もあります。
また、香り成分には健胃・解毒効果があるため、弱った胃腸にもやさしい食材です。
薬効成分は皮と実の間に豊富に含まれているため、皮ごとすりおろして使いましょう。
厳しい冬は温かいお蕎麦と生姜で、体を温めて乗り切ってください。
七味唐辛子
(画像出典:写真AC)
温かいお蕎麦に辛みをプラスするなら、七味唐辛子がぴったりです。
七味唐辛子には一般的に唐辛子のほかに、山椒や麻の実、ごま、ケシの実が入っており、辛さだけでない風味がたのしめます。
粉末状のため、そばの喉ごしの邪魔をしない薬味と言えるでしょう。
また、七味唐辛子に入っている山椒の辛みの特徴は「痺れ」です。
山椒は、唐辛子同様に新陳代謝を増進させ、胃腸のはたらきを活発にしてくれます。
そばの薬味で栄養満点の一食をたのしむ!
(画像出典:写真AC)
今回は、出雲そばにおすすめの薬味と、いつもと違った食べ方におすすめの薬味をご紹介しました。
出雲そばの風味や特徴を最大限に活かした薬味は、長芋・もみじおろし・ねぎです。
薬味に迷った際は、3つを用意して順番に食べてみてください。
いつもと違った食べ方にトライしたい方は、冷たい・温かいお蕎麦ともに旬の食材を薬味として使うのがおすすめです。
食欲のない夏も、飲み過ぎ・食べ過ぎが気になる冬も、栄養価の高いそばと体の味方になる薬味の組み合わせで心も体も喜ばせましょう!
そばの薬味を理解する基本のキ。定番からアレンジまで紹介
【参考書籍】
「決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典」「季節でいただく まいにち薬味」