炭水化物の摂取量目安:1日に必要なグラムは?なぜ太る?眠くなる理由とは
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炭水化物は、体を動かしたり、頭を使うために重要な栄養素のひとつです。
しかし、1日の必要なグラム数を意識している方も多く、「炭水化物を食べるとなぜ太るの?」「炭水化物を食べると眠くなるのはなぜ?」といったような疑問も多い栄養素でしょう。
そこで今回は、1日に必要な炭水化物のグラム数の計算方法や、太る理由や眠くなる理由を解説します。
「太りたくない!」「眠くなりたくない!」方へおすすめの食材も一緒に紹介しているため、参考にしてください。
目次
炭水化物の役割は脳にも大切なエネルギー源!
炭水化物は、脂質・たんぱく質とともに三大栄養素です。
そのなかでも炭水化物の糖質はエネルギー源であり、車でいうガソリンの役割を担います。
炭水化物の糖質は、体内で吸収されてブドウ糖になり、血液によって全身へ運ばれます。
何よりも一番エネルギーを使う脳。
さらに、脳のエネルギーはブドウ糖だけであり、ブドウ糖は体内で貯めておけないため、日々の炭水化物の摂取が大切になります。
炭水化物は1日に何グラム必要?
炭水化物は、生活に必要なエネルギーを生み出す栄養素であるため、男女ともに1日の摂取カロリーの50〜65%ほどが適正な量とされています。(参考:厚生労働省|日本人の「食事摂取基準(2020年版)|3 炭水化物)
1日に必要な炭水化物のグラムは、必要なカロリーの総量を知り、以下の手順を踏むことで詳しい値が得られます。
- 性別・年齢・活動レベルから1日に必要なカロリーを出す
- 50〜65%をかけて1日に必要な炭水化物のカロリーを出す
- 1g4kcalである炭水化物のエネルギー量でわる
1日に必要なカロリーは、性別・年齢・身体活動レベルによって異なるため、性別と年齢を元に以下の「1日の基礎代謝量」グラフと「身体活動レベル」のグラフを使用して、詳しい数値を出してみましょう。
●1日の基礎代謝量×身体活動レベル=1日に必要なカロリー(例:身体活動レベルⅠの55歳女性の場合 1,110×1.50=1,665kcal)
【1日の基礎代謝量】
性別 | 男性 | 女性 |
年齢(歳) | 基礎代謝量(kcal/日) | |
15〜17 | 1,610 | 1,310 |
18〜29 | 1,530 | 1,110 |
30〜49 | 1,530 | 1,160 |
50〜64 | 1,480 | 1,110 |
65〜74 | 1,400 | 1,080 |
75以上 | 1,280 | 1,010 |
【身体活動レベル】
身体活動レベル | Ⅰ(低い) | Ⅱ(ふつう) | Ⅲ(高い) |
15〜17 | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
18〜29 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30〜49 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50〜64 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
65〜74 | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
75以上 | 1.40 | 1.65 | – |
(参考:厚生労働省|日本人の「食事摂取基準(2020年版)|表5 参照体重における基礎代謝量)
身体活動レベルは、以下のようなイメージです。
- Ⅰ(低い):生活のなかで座っていることが多く、静かな活動が多い方
- Ⅱ(ふつう):座っていることが多いが、職場での移動や通勤、買い物、家事や軽いスポーツなどいずれかを含む方
- Ⅲ(高い):移動や立ち仕事の多い仕事またはスポーツや活発な運動習慣がある方
続いて、必要なカロリー数に50〜65%をかけることで、1日に必要な炭水化物のカロリー数が算出されます。(例:1日に必要なカロリー×0.5〜0.65=832.5〜1082.25kcal)
炭水化物は、1g4kcalであるため4で割って、グラム数に変換します。(例:832.5〜1082.25÷4=208.1〜270.5g)
例で想定した、身体活動レベルⅠの55歳女性に必要な1日の炭水化物のグラム数は、208〜270gです。
ご自身の性別・年齢・身体活動レベルを当てはめて計算してみましょう。
食物繊維の摂取量にも注目
炭水化物は、糖質と食物繊維に分かれます。
食物繊維はほとんどエネルギーにならないため、カロリーはほとんどありません。
1日あたりの食物繊維の摂取目標は、男性21g・女性18g以上ですが、食物繊維は意識しないと目標摂取量に満たない可能性があります。
そのため、同じ炭水化物でもより食物繊維の量が多い食材を意識して選びましょう。
炭水化物を食べるとなぜ太る?
炭水化物の食材には、血糖値が急激に上がる高GI食品が多く、これによりインスリンが大量に分泌されます。
このインスリンのはたらきによって、上昇した血糖値は正常にもどりますが、一方で脂肪を分解しにくく、血中の糖を溜め込むはたらきがあります。
そのため、生活する上で重要な栄養素である炭水化物ですが、「炭水化物=太る」といった印象を持っている方も少なくありません。
「炭水化物を食べると太る」というのは、血糖値の上昇によるインスリンの作用から来ていると言えます。
炭水化物を食べると眠くなる理由
炭水化物を食べると、食後に眠くなるといった経験がある方も多いでしょう。
これも「炭水化物=太る」同様に、血糖値の上昇によるものです。
炭水化物を食べることで、血糖値が急激に上昇して、食後に急激に降下することで眠気を感じます。
血糖値が急激に降下することで、脳のエネルギー源である糖が届かなくなり、眠気を感じるといった仕組みです。
後述する血糖値を緩やかに上昇させる食事方法を取り入れることで、食後の眠気も落ち着くでしょう。
血糖値を緩やかに上昇させる食事方法
炭水化物によって、「太る」「眠くなる」といった症状は、血糖値を緩やかに上昇させる食事によって改善が期待できます。
血糖値を緩やかに上昇させる食事法は主に以下のとおりです。
低GI食品の炭水化物を中心にする
低GI食品とは、血糖値の上昇を示すGI値が低い食品のこと。
肉や魚、乳製品などのたんぱく質や野菜などは低GI食品が多いですが、炭水化物である小麦や白米はGI値が高い食品が多いため注意が必要です。
GI値の低い炭水化物の代表は、そば・玄米・ライ麦パンなどの茶色い食べ物です。
野菜やたんぱく質から食べる
食卓に白米やうどんといった高GI食品であっても、GI値の低い食品から食べることで、血糖値の上昇は緩やかになります。
野菜だけでなく肉や魚、卵などのたんぱく質も血糖値が上がりにくいため、先に食べても問題ありません。
よく噛んで食べる
低GI食品を意識しても、食べるスピードが速ければあまり意味がありません。
ゆっくりと食事をたのしみ、よく噛んで食べることでいつもと同じメニューでも、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
はじめは噛む回数を意識する必要がありますが、習慣化することで、血糖値を緩やかに上昇させる食事が無意識のうちにできるようになるでしょう。
炭水化物が不足すると起こる症状
炭水化物は、エネルギー源として大切な栄養素と紹介しましたが、やはりダイエットのためにと、摂取量を減らしてしまう方も少なくありません。
ですが、炭水化物が不足すると、身体はさまざまな不快な症状を出して警告します。
そこで、ここでは炭水化物が不足したときに表れる症状を紹介します。
脳の機能が鈍くなる
先述したように、糖質から得られるブドウ糖は、脳の唯一のエネルギーであるため、不足すると集中力の低下やイライラの原因となります。
判断能力が鈍ったり、やる気が出ないといった症状は、できるだけ避けたいところです。
「やる気が出ないな」「ボーっとするな」と感じたときは、まずはご飯を食べて脳に糖を送りましょう。
腸内環境が乱れる
炭水化物には、糖質のほかに食物繊維も含まれており、これが不足すると腸内環境が乱れる原因にもなります。
腸内環境の乱れは、便秘や下痢、肌荒れの原因にもなります。
また、腸内は「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」が分泌される臓器です。
セロトニンの不足によってイライラ・不安などの症状が起きるため、炭水化物を減らすことによる食物繊維の減少も注意しましょう。
筋肉が分解される
体内のエネルギー源が減少すると、身体は体内からエネルギー源を得ようと、筋肉を分解します。
筋肉は基礎代謝を上げる役割を持ち、体温を上昇させて免疫力を上げたり、食べても太りにくい身体を作るうえでも欠かせません。
ダイエットとして炭水化物をセーブすることで、基礎代謝が落ちてしまっては意味がないでしょう。
特に高齢者の方の炭水化物不足から起こる筋肉の分解は避けたいところです。
いつまでも自分の足で歩けるよう、炭水化物をしっかり摂りましょう。
低GIの炭水化物といえば「そば」
「炭水化物で太りたくない」「食後眠くなりたくない」という方は、低GIの炭水化物であるそばがおすすめです。
食物繊維も豊富な食材であり、1食分で約0.5gほどの白米に比べ、そばは約3.9g。(出典:カロリーSlism)
また、そばに豊富に含まれるポリフェノールの一種である「ルチン」は、筋肉の維持にも効果的で、体が喜ぶことばかりです。
上記のようなそばの恩恵を受けたいなら、小麦粉の割合が少ない八割そば・十割そばを選んでみましょう。
さらに、「挽きぐるみ」と呼ばれる製法で作られたそばは、栄養価やそばの香りが高いといった特徴だけでなく、歯ごたえがあるため噛む回数もおのずと増えます。
大正2年創業の出雲そば「本田屋」では、「無添加×挽きぐるみ×十割そば」も品揃えしています。
「健康習慣にそばを食べたい!」という方は、チェックしてみてください。
炭水化物は食べ方や食材次第で太らない!眠くならない!
今回は、1日に必要な炭水化物のグラム数の計算方法や、太る理由や眠くなる理由を解説しました。
炭水化物は、日常生活を明るく健康的に過ごすために必須の栄養素です。
脳のエネルギーとしても大切であるため、仕事や勉強、趣味に集中するためにも、1日に必要な摂取量を知って、取り入れましょう。
しかし、炭水化物が主な食品は、血糖値が急激に上昇しやすい食べ物でもあります。
血糖値の急上昇は太りやすく、食後の睡魔の原因になるため、できるだけ避けたいところです。
低GI食品を選んだり、食事の食べ方を工夫して血糖値の緩やかな上昇を手助けしましょう。
主食には、玄米やそばがおすすめです!
ぜひ、健康習慣のひとつとして日常に取り入れてみてください。