彼岸そばはどこの地域で食べられている?由来やおすすめ具材を紹介!
お蕎麦辞典そばの豆知識ブログ
彼岸そばはどこの地域で食べられている?由来やおすすめ具材を紹介!
そばには季節や節目に食べる「年越しそば」や「晦日そば」「節分そば」があります。
そんななか、お彼岸の時期に食べる「彼岸そば」というものも存在し、日本人の行事食として親しまれてきました。
そこで今回は、彼岸そばについて詳しくご紹介します。
目次
彼岸そばの由来
季節の変わり目は、気温や湿度の変化から体調を崩しやすいため、春と秋の彼岸に胃腸にやさしいそばを食べて、内臓を清めようと食べはじめたのが由来と言われています。
お彼岸は、昼と夜の時間が等しいと言われている、3月の春分と9月の秋分の日を中心とした一週間を指しています。
春分と秋分は仏教で、この世と浄土(死者の世界)の距離が最も近くなるとされており、先祖を偲んで、お墓参りするのもそのためです。
体内を清めて春分や秋分を迎え、先祖を偲ぶ風習と言えるでしょう。
地域によってはそばでなく、うどんを食べることもあります。
彼岸そばが食べられている地域
彼岸そばは年越しそばよりも知名度は低く、食べる習慣がある地域は多くはないでしょう。
そばでなく、彼岸うどんを食べる地域もあるため、限られた地域や家庭で食べられている彼岸そば。
積極的に食べられているのは、そば処である信州地方や出雲地方、そばの産地である北海道の幌加内や深川市、旭川市などです。
なかには「昔からお彼岸にはそばを食べる」という家庭もあるでしょう。
お彼岸の期間は約一週間あるため、取り入れやすいのではないでしょうか。
心身ともに清らかな状態で、春分や秋分を迎えてください。
彼岸そばにおすすめの具材
続いて、彼岸そばにおすすめの具材をご紹介します。
「お肉や魚を使わないそばってどんなもの?」と悩んでしまう方もぜひ参考にしてみてください。
野菜の天ぷら
野菜の天ぷらは、精進揚げとも呼ばれる精進料理です。
自宅にある野菜をたっぷり使ったかき揚げもおすすめ。
年越しそばや節分そばなど、長寿祈願として重宝される食材の海老ですが、お彼岸には植物性の食材を使うことを意識しましょう。
きのこ
秋分を中心としたお彼岸には、秋の味覚であるきのこを使った彼岸そばはいかがでしょうか?
出汁の効いたつゆとしめじやえのきを使った、あんかけきのこそばは、体を芯から温めてくれます。
きのこは食物繊維が豊富な低GI食材のため、食後の血糖値の上昇が気になる高血糖の方やダイエット中の方にもおすすめです。
山菜
春分を中心としたお彼岸には、春の訪れを告げる山菜を使ったお彼岸そばを作ってみましょう。
わらびやゼンマイはそばのトッピングとして使いやすく、大根おろしやとろろとの相性も抜群です。
山菜を一から調理するのが大変に思われる方は、スーパーやコンビニで手に入る「山菜水煮」を使うことでかんたんに作れますよ。
彼岸そばにおすすめの蕎麦
最後に、彼岸そばにおすすめの蕎麦をご紹介します。
季節の変わり目で体調を崩しやすいお彼岸の時期には、栄養たっぷりのそばを食べて体を労りましょう。
同時に腸などの内臓を労り、いつもより体内を清め、春分や秋分を迎える意識を持ってみるのも良いですね。
挽きぐるみ製法の出雲そば
そばは栄養価の高い食材として認知されていますが、そのなかでも「挽きぐるみ製法」で作られたそばが最もそばの栄養の恩恵を受けられます。
挽きぐるみ製法とは、そばの実を丸々挽いて作られたそば粉を使用しており、そばの栄養が詰まっているとされる甘皮部分も含まれています。
精白米よりも玄米のほうが栄養価が高いことと同じことが言えるでしょう。
挽きぐるみ製法で作られたそばで有名なのが、日本三大そばのひとつである「出雲そば」です。
出雲そばを選ぶことは、そばの豊富な栄養の恩恵を受けることに繋がります。
定番・人気商品「奥出雲生蕎麦」
島根県出雲にある創業百余年のそば製造メーカーである「本田屋」では、無添加にこだわった出雲そばを製造・販売しています。
干しそばから生そば、三割そばから十割そばと、バラエティ豊かな商品のなかでも「奥出雲生蕎麦」は定番であり、人気の商品です。
奥出雲生蕎麦は、厳選された国産のそば粉と小麦粉を使用した五割そば。
常温保存で180日の賞味期限も魅力のひとつです。
保存料や添加物は不使用のため、開封時や茹でているときの変なくささもまったくありません。
「行事食に少し贅沢なそばを使いたい!」という方は、ぜひチェックしてみてください。
グルテンフリーの十割そば
栄養価の高さから健康を意識してそばを頂くなら、そば粉100%の十割そばがおすすめです。
市販のそばには、小麦粉が配合されているそばも多く、生そばであればそば粉が全体の三割、干しそばであれば表示義務を果たすことで三割以下でも「そば」と謳って販売可能です。
小麦粉が入ることで、のどごしの良いツルッとしたそばに仕上がるため、小さなお子さんがいる家庭などでは重宝しますが、健康を意識している方は十割そばを選んでみましょう。
十割そばはグルテンフリー食材としても有名であり、グルテンフリーは腸内の負担を減らし、腸活に一役買ってくれます。
心身を整えるタイミングの彼岸そばには十割そばを選んでみてください。
そば湯もおいしい「有機十割そば」
無添加の出雲十割そばであれば、乾麺タイプでもおいしいそば湯を堪能できます。
十割そばのそば湯は、とろっとろでとっても濃厚。
食後に出汁の効いたそばつゆを少し加えて飲むと、ホッと落ち着きますよ。
食べ過ぎ防止にもなり、胃腸への負担の軽減にもなります。
また、そば湯はそばに含まれる水溶性のビタミンが溶け出しているため、積極的に飲みたいものです。
そば湯を飲むのに抵抗がある方は、アレンジをして頂くのもひとつの手。
以下の記事を参考にしてみてください。
お彼岸に食べられている料理
彼岸そばだけでなく、お彼岸に食べる習慣のある料理やお供物を紹介します。
一週間あるお彼岸の時期に先祖や故人を偲び、思い出を話しながらおいしく頂きましょう。
おはぎ・ぼた餅
お彼岸と言えばおはぎやぼた餅を連想する方も多いでしょう。
どちらもお餅をあんこで包んだ和菓子であり、基本的に春のお彼岸には「ぼた餅」、秋のお彼岸には「おはぎ」と呼ばれています。
小豆自体に邪気を払うパワーがあるとされており、加えて赤色にも魔除けの効果があると言われています。
また、昔はお砂糖が高価であったため、砂糖をたっぷり使った甘いおはぎやぼた餅で、先祖供養するようになったとも言われており、今でもお彼岸になくてはならないお供です。
赤飯
赤飯はお祝いごとで食べられることが多い料理ですが、小豆に邪気払いや魔除けの効果があることから、赤飯を食べている地域もあります。
金時豆や栗を入れて、めんつゆを加えて炊き上げることで、おこわのようないつもと違った赤飯が炊きあがります。
また、赤飯を多めに作っておき、おはぎにアレンジするのも良いかもしれませんね。
いなり寿司・五目寿司
いなり寿司や山菜や根菜を使った五目寿司もお彼岸の定番料理です。
仏教の教えでは、生命を宿す動物をお供えすることは禁じられており、先祖と同じ食べ物を食べるという意味でも、五目寿司には旬の山菜や根菜を使用しましょう。
精進料理
仏教の教えから精進料理を食べることもあります。
精進料理とはお肉や魚を使わず、野菜や大豆を原料とした植物性の食材を使った料理です。
お米・漬物・汁物におかずといった食事が基本であり、お供えするとともに食事としていただきますが、宗派によっては、一汁三菜などの形式も異なります。
先祖が好きだったもの
お彼岸の時期は、先祖を偲ぶ時期として、先祖が好きだったものをお供えし、一緒に食べるのもおすすめです。
「おはぎよりも、ここのお店の団子が大好きだった」など、先祖のことを思い出しながら用意する時間も良いでしょう。
お彼岸の形式を気にしすぎることなく、先祖の好きだったもので食卓を囲むことも大切です。
体内も清めて春分と秋分を迎える準備を!
彼岸そばは、春分と秋分を中心とした一週間のお彼岸の時期に食べられるそばです。
季節の変わり目であることから体調を崩しやすいため、内臓を清めるために「消化にやさしいそばを食べよう!」といった由来があります。
さらに、仏教では春分と秋分は、この世と浄土(死者の世界)の距離が最も近くなるとされており、心身ともに清めることで先祖や故人、見えない世界と繋がれるとも言われています。
仏教と関わりの深いお彼岸は、お肉や魚といった動物性の食材を控え、野菜や大豆製品などの植物性の食材を食べることが推奨されています。
そのため、彼岸そばには旬の山菜やきのこ、野菜などを使用するのがおすすめです。
お彼岸の時期は一週間あるため、そばを食べるチャンスも多いため、ぜひ挑戦してみてください。