そばにはいろいろな種類がある!出雲そばから変わりそばまで詳しく紹介
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古くから親しまれ続けている日本の国民食の一つ「そば」。
そばには、島根県の郷土料理「出雲そば」をはじめとして、いろいろな種類があります。
そこで、この記事では出雲そばを含む「日本三大そば」の特徴や、そばの種類、出雲そばのお取り寄せ情報などを詳しくご紹介します。
目次
日本三大そばとは?
日本全国には、ご当地ならではのそばが数多く存在します。
その中でも「日本三大そば」として広く知られているのが、出雲そば、わんこそば、戸隠そばの3つです。
出雲そば
出雲そばは、島根県出雲地方の郷土料理です。江戸時代初期に、松江藩・松平家初代藩主の松平直政公が信州松本藩からそば打ち職人を伴って松江に移ってきたことがきっかけで、島根にもそば食が広まったとされています。
挽きぐるみと呼ばれる粉を使うため色は黒っぽく、香ばしい風味が特徴です。
食べ方も特徴的で、「割子そば」と「釜揚げそば」の2種類の食べ方があり、地域の食文化として深く根付いています。
わんこそば
わんこそばは、岩手県の花巻市や盛岡市に伝わる郷土料理です。花巻起源説と盛岡起源説の2つが存在し、花巻起源説では江戸時代初期から400年以上の歴史があるとされています。
ひと口分に小分けされたそばを小さなお椀(わんこ)に入れて食べるのが特徴で、給仕が「はい、じゃんじゃん」「はい、どんどん」という独特の掛け声とともに、空になったお椀に次々とそばを入れてくれます。
満腹になったらお椀に蓋をして終了の合図を送るのが習わしです。
戸隠そば
戸隠そばは、長野県長野市の戸隠地区で作られている郷土料理です。起源は平安時代までさかのぼり、日本三大そばの中でも最も長い歴史を持ちます。
出雲そばと同じく挽きぐるみのそば粉を使い、ひと口サイズのそばを5~6束に分けて丸いざるに盛りつける「ぼっち盛り」が特徴です。
また、そばをゆでたあと、水でしめてから、その水を切らずにそのまま提供されます。
薬味には辛味のつよい「戸隠大根」が使われ、独特の辛さがそばの風味を引き立てています。
そばの種類はどうやって分類される?
ひとことに「そば」と言ってもその種類はさまざま。そば粉の分類方法を知ることは、奥深いそばの世界をさらに楽しむことにもつながります。
使用するそば粉の違い
そばの元となるそば粉には、大きく分けて「一番粉」「二番粉」「三番粉」「挽きぐるみ」の4つの種類があります。
一番粉
そばの実の中心部分から作られるそば粉です。中でも特に純度の高いものは「更科粉」と呼ばれます。つるんとした弾力があり、歯切れや喉越しの良さが特徴で更科そばの原料として使われています。
二番粉
そばの実の胚乳部や胚芽部と呼ばれる部分から作られる粉です。そば特有の色や香りがあり、味と食感の絶妙なバランスを楽しめます。
三番粉
そばの実の外殻に近い甘皮部分から作られる粉です。色味が濃く香りも強いのが特徴で、藪そばや田舎そばなどに使われます。そばの風味をしっかり味わいたい方におすすめです。
挽きぐるみ
一番粉から三番粉までを分類せず、そばの実の中心部から甘皮までをすべて挽いた粉です。濃厚な香りともっちりとした食感が楽しめ、前述の「出雲そば」や「戸隠そば」でも使われているそば粉です。
このように、使用するそば粉の種類によって、そばの味わいや食感は大きく変わります。
そば粉の割合の違い
そばの種類は、そば粉の割合によっても変わります。その中でも、特によく知られているのが「十割そば」と「二八そば」です。
十割そば
十割そばは、そば粉100%で作られたそばです。つなぎを一切使わないので、ざらざらとした力強い食感とそばらしい風味や香りを存分に楽しめます。
二八そば
二八そばは、そば粉8割、つなぎ(小麦粉など)2割で作られたそばです。適度な弾力があり、つるりとした舌ざわりと喉越しを味わえます。
この他にもそば粉の配合によって「八割そば」「五割そば」「三割そば」などの種類があります。
そば粉とつなぎの配合割合で風味食感は大きく異なるため、いろいろ試して自分好みのそばを発見してみるのはいかがでしょうか?
いろいろな「変わりそば」
そばには、そば粉以外の原料を混ぜて作られた「変わりそば」もあります。
お茶を練り込んだ「茶そば」や、桜を練り込んだ「桜そば」など季節を演出する商品、また、地方色豊かに、山形地方の「こんにゃく蕎麦」、布海苔という海藻を練り込んだ新潟の「へぎそば」など、バラエティーに富んでいます。
出雲そばの特徴
ここからは、ご当地である「出雲そば」の特徴について、詳しくご紹介します。
出雲そばには、主に次のような特徴があります。
・挽きぐるみのそば粉。
・さまざまな栄養が含まれている。
・そばにつゆを直接かけて食べる。
それぞれについて、以下に詳しくご紹介します。
挽きぐるみのそば粉を使っている
前述のように、出雲そばは「挽きぐるみ」のそば粉を使って作られています。
挽きぐるみとは、殻のついたそばの実である「玄そば」をそのまま挽き込み製粉したそば粉の事。独特の風味と色合いを楽しむことができます。
さまざまな栄養が含まれている
そばの実を殻ごと挽いた出雲そばは、栄養価が高くヘルシー。
特に、疲労回復・ストレスの軽減・食欲不振の解消などに効果のあるビタミンB1、皮膚・粘膜・目の健康維持に役立つビタミンB2、アンチエイジング作用を持ち血管を強くするルチンなど、体に大切な栄養素を豊富に含んでいるといわれています。
そばにつゆを直接かけて食べる
つゆをそばにかけて食べるのも、出雲そばならではの特徴です。
一般的なそばの場合、ざる蕎麦では、ざるに盛られたそばを箸で少量とりあげ、蕎麦猪口に入ったそばつゆにつけて食べ、かけそばは温かいつゆとともに丼に入れて提供されます。
一方、出雲そばは冷たいそばも温かいそばも、食す前に、自分でつゆをそばに直接かけて食べる点が特徴的です。
出雲そばの食べ方
出雲そばには「割子そば」と「釜揚げそば」の、2つの食べ方があります。
割子そば
割子そばとは、ゆでたそばを冷たい水にさらして洗い、そばのぬめりを落としてから丸い重箱に盛りつけたそばのこと。
通常よく目にする、いわゆる一般的なざるそばとは異なり、器に入ったそばにつゆを直接かけて食べます。
一番上の器に盛られたそばから食べはじめ、食べ終わったら残りのつゆを下の器にかけていきます。つゆが足りない場合は適宜足しながら食べます。
そばそのものの風味と喉越しを楽しめるのが特徴の、島根を代表するそばです。
釜揚げそば
松江発祥の割子そばに対して、出雲大社周辺で始まったといわれているのが釜揚げそばです。ゆでたそばをそば湯とともにそのまま器に盛り、つゆや薬味をかけて食べます。
出雲そばのつゆはどちらかというと甘めで、香りのしっかりとしたそばともよく合います。薬味は、割子そばと同じく、定番の大根おろし、ねぎ、かつお節、のりですが、割子そば、釜揚げそばともに「もみじおろし」が出雲流。わさびとは違ったピリ辛感がクセになるほどです。
旧暦の10月に出雲地方の神社で執り行われる「神在祭」の際、神社の周りに屋台が並び、寒い中参拝に訪れる人々に対して、あたたかいそばが振る舞われたことが釜揚げそばの由来とされています。
「本田屋」で本格派の出雲そばをお取り寄せしよう
出雲そばのお取り寄せは、創業百余年の老舗そば屋「本田屋」がおすすめです。
本田屋では「食べて美味しい・身体に美味しい」をモットーに、食品添加物不使用のそば作りを行っています。
国内唯一の有機JAS認証を取得し、小さなお子様からからご年配の方まで、安心して食べられる本格派の出雲そばを提供。
自家製粉の挽きたてそば粉を使ったそばは、家庭用から贈答用まで幅広いニーズに応える商品として親しまれています。
中でも、自宅で味わうのに最適な国産原料のみで仕上げた「奥出雲生そば」はおすすめ。「出雲十割そば」のほか、希少な島根県産そば粉で仕上げた「島根県産十割そば」などがそろっています。
まとめ
島根の郷土料理「出雲そば」をはじめとして、そばの種類についてご紹介してきました。
粉の種類や配合、そして食べ方によって、いろいろな楽しみ方ができるそば。特に、そばそのものの風味をしっかり味わえる出雲そばは、ぜひ食べておきたいひと品です。
「本田屋」では、本場の味を自宅でも気軽に楽しめる出雲そばを販売しています。
こちらにご紹介した内容を参考に、ぜひそばの魅力を堪能してみてください。