そばと酒が出会った江戸文化!そばの視点と絡めて当時を解説!
お蕎麦辞典そばの豆知識ブログ
みなさんもご存知のように、日本では古くからそばが好まれてきました。
そして、そんなそばの文化が一斉に花開いたのが、江戸時代です。
また、そばと日本酒で「一杯引っかける」習慣が生まれたのもこの時期とされています。
今回の記事では、そば文化が隆盛を迎えた当時のことを、主にそばの視点と絡めて解説していきましょう。
そばと江戸文化
江戸時代に入り、そば文化が最高潮を迎えたことは冒頭でも触れたとおりです。
そんなそばですが、江戸幕府が開幕した当初はうどん人気の方が高かったことをご存知でしょうか。
理由には諸説ありますが、主だった要因の一つは、単純にそばがうどんよりも不味かったという点にあります。
当時のそばは、今私たちが食べているようなツルツルした食感のものではなく、麺が短く、もそもそ・パサパサとしたものだったのです。
さらに、そば粉は小麦粉よりも劣化しやすく、品質の管理が難しかったことも、そばの人気が振るわなかった理由としてあげられます。
しかし、時代がくだると、職人たちが技を磨き製粉、製麺技術が大幅に進歩。
様々なハンデを乗り越えて、うどんの地位を脅かし、ついには江戸町民の定番メニューにまでのし上がるようになりました。
また、さらに時代が経過し、江戸後期に入ると大衆的な店だけではなく、料理屋風の高級そば店までもが出現してくるようにもなっています。
このように、低品質かつ、そば粉の管理の難しさが原因で不人気だったそばですが、江戸町民の知恵の結晶で技術が進歩した結果、幅広く愛されるようになり、江戸文化の象徴の一つとなったのです。
そして、今では江戸、つまり東京の人たちだけでなく、日本人にとってそばはなくてはならない食べ物となっています。
創業百余年 出雲そばの老舗 本田屋においても、日本人のソウルフードたるそばを、幅広いラインナップで販売しています。
とくにおすすめなのが、島根県産のそば粉にこだわった商品たち。
ご家庭用はもちろん、プレゼントに最適なご贈答用の品も揃えていますので、ぜひチェックしてみてください。
そばと酒の出会い
さて、そろそろそばと酒のお話もしていきましょう。
「江戸っ子は宵越しの銭はもたない」つまり、「金はあるだけ使っちめえよ!」というのが「江戸の粋」に関する代表的な考え方です。
現在の日本人は貯蓄を美徳としている人が大勢いますが、江戸っ子たちは収入があれば、使いきって毎日を楽しんでいました。
そんな町人たちのオーソドックスな毎日の過ごし方は、銭湯で「ひとっ風呂」浴びたあとに、そば屋で食事を楽しむというものでした。
そして、このときの江戸町人たちの食事のスタイルにマッチしていたのが、そばと日本酒のコラボレーションです。
庶民が一般的な料理屋で飲もうとすると代金が高くつくため手が出ませんでしたが、そば屋でなら手軽な価格で日本酒が楽しめたため、江戸町人からは人気がありました。
日本酒そのものの質もよく、江戸時代の風俗を伝える「守貞謾稿」という書物には、そば屋にて「上酒」つまり上等な酒を提供していたことが記載されています。
このように、そば文化が浸透したことと、高品質な日本酒が気軽に手に入る環境ができあがったことで、現在のようなそばと日本酒の蜜月の間柄が誕生したというわけです。
ちなみに、金沢工業大学の研究によると、日本酒にはコラーゲンの生成を助け、肌の健康に寄与する効果があることがわかっています。
そばと日本酒の両方を美味しく味わって、美肌に生まれ変わりましょう。
めんつゆにもこだわりを
そば文化が広まる初期段階の江戸では、味噌や樽醬油などでそばつゆを作るのが一般的でした。
しかし、時代が経過し上記のようにそば文化が活気づくと、上等な下り醤油(上方、つまり大阪から下ってきた上質な高級醤油)や、土佐のかつお節を使ってめんつゆを作るそば屋もあらわれるようになります。
そば打ちの技術が洗練されたものの、それに見合った品質のめんつゆがまだ見当たらない時代でしたが、ようやく完成度の高いめんつゆの登場となったのです。
そばが美味しくなるめんつゆの作り方。健康を意識した作り方も紹介
おすすめの肴
そばと酒をたしなむにあたって重要なのが、合いの手となる肴です。
そばと酒の味を生かすも殺すも、肴の味にかかっていると言っても過言ではありません。
そこで、ここでは、そばと酒によく合う肴を紹介していきましょう。
焼き海苔
最初に紹介するのは、焼き海苔です。
シンプルすぎる一品ですが、江戸っ子に愛されてきた伝統的な酒の肴ということで、リストアップしました。
栄養素に目を向けると、焼き海苔には、そばに含まれていないビタミンCが含有されています。
ビタミンCは人体では生成できない重要な栄養素で、必ず外部から摂取しなければなりません。
焼き海苔もそばと日本酒の仲間に加えて、バランスよく栄養を摂取してください。
また、カロリーも低いので、ダイエット中の人にもおすすめです。
天ぷら
そばのトッピングの王様とも言えるのが、天ぷらではないでしょうか。
江戸の天ぷらの起源は屋台料理と言われていますが、いつの頃からかそばと一緒に食べられるようになりました。
天ぷらには、海老、キス、コハダなど色々な種類がありますが、たんぱく質が豊富なネタが多いのが特徴です。
そばと日本酒だけでは、さすがにたんぱく質量が心もとないというときに加えると、栄養のバランスが整うでしょう。
ちなみに、天ぷらを肴に用いる場合は、「天種」もしくは「天ちらし」などと言われていたそうです。
焼き鳥
最後に紹介するのは、焼き鳥です。
そばと日本酒のうまさを引き立ててくれる、芳ばしい香りが最高の一品。
こちらも昔から、そば屋の肴の定番として人気を得てきた料理です。
天ぷらと同様、様々な種類があるのが特徴として低カロリーなネタが豊富なのが嬉しいところです。
体型を気になさっている方などにはカロリーの低い、砂肝や軟骨がおすすめです。
悪酔いしないためのたしなみ方
どんなに美味しくそばと日本酒を楽しんでも、悪酔いしてしまっては「粋」とは言えません。
そこで、こちらの項では、健康的にそばとお酒をたしなむための方法を紹介していきましょう。
最初に油ものを食べる
まず紹介するのは、油ものを最初に食べるという方法です。
油ものが胃に入ると消化管ホルモンなどが働き、胃の出口を閉ざす働きがあると言われています。
アルコールの大部分は小腸で吸収されますが、胃の出口が塞がることで血中アルコール濃度の上昇が緩やかになり、悪酔いが避けられるという仕組みです。
飲む時間を決めておく
お酒が進むと気持ちよくなってしまい、つい「あと一杯だけ、あと一杯だけ」とダラダラ飲んでしまいがちの人もいるはずです。
翌朝、二日酔いになってしまえば、痛い目を見るのは他でもない自分自身。
そんなことにならないためにも、あらかじめ、今日は○時まで飲んだら切り上げると決めてから飲酒するようにしましょう。
どうしても、ご自身で制御できない場合は、家族などに宣言してから飲み始めれば、周囲の視線がブレーキにつながるのでおすすめです。
そばと酒についてのまとめ
日本人のソウルフードとも言えるそばは、江戸時代に発展し町民に深く愛されてきました。
日本酒との相性もバツグンで、夏は冷や、冬は熱燗でたしなむなど一年を通じて、楽しむことができます。
そんなそばですが、私たち本田屋では、材料と製法にこだわりぬいた十割そば、そして有機大豆や有機小麦を使用して作っためんつゆなどを販売しています。
ご家庭用はもちろん、ご贈答用にセットで販売しているものなど、バリエーション豊かなラインナップを取り揃えておりますので、ぜひ一度チェックしてみてください。
【参考文献】
▼岩崎信也著/江戸っ子はなぜ蕎麦なのか?
▼葉石かおり/酒隙医師が教える最高の飲み方:意外!?悪酔い対策はつまみに「油もの」を食べる
▼河岸宏和著/「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。
▼北大路魯山人著/だしの取り方
▼柏井壽著/グルメぎらい