
初心者でも失敗しない乾麺蕎麦の美味しい茹で方
お蕎麦辞典そばの豆知識
スーパーをはじめ、手軽に買えるそばの代表格は乾麺!
「欲しい」と思ったらすぐに手に入れられ、生麺よりも保存がききやすいのもうれしいところです。
そんな乾麺、お手軽な反面、生麺のほうがやっぱりおいしいという意見もちらほら。
でもご安心を。茹で方を工夫すればそば乾麺もおいしくいただけます!
そばの乾麺、どれがおいしいの?
そばの乾麺より生麺のほうがおいしい理由として、麺に含まれる水分量や、乾麺に含まれるそばの割合などで、手打ちそばが美味しいのは打ちたてであることはもちろんのこと、水分量が大きく関係しています。水分量に関しては日持ちなど考慮するとどうしようもないものとして割合について説明します。
そばは、そば粉だけだと繋がりにくく、短く切れてしまう性質があります。
そのため小麦粉を混ぜて繋がりやすくしており、例えば「二八そば」なら2割が小麦粉、「九割そば」なら1割が小麦粉という風に、名称で把握できます。
スーパーなどでリーズナブルに購入できる「そば」と書いてある乾麺は、大量生産でも切れにくいよう、また原料代を抑えるためにそば粉の割合を低くして売られている場合があります。
パッケージの裏などに記載されている「品質表示」をチェックしましょう。
配合成分の多い原料から順番に記載する決まりになっているので、「小麦粉、そば粉、○○、○○」などと記載されている場合、そば粉より小麦粉の割合のほうが多い商品なのです。
また「乾めん類品質表示基準」では、そば粉が3割以上であればあえてその割合を表示しなくてもよいと定められているので、そば粉3割の商品も多く出回っているのが現状です。
なお「標準」や「上級」といったJASマークが付いた乾麺もあります。「標準」ならそば粉が4割以上、「上級」なら5割以上となります。
そば本来の味わいや風味を楽しむには、できるだけ小麦粉の割合が低くてそば粉の割合が高いものを選びたいところ。スーパーなどでそばの乾麺を購入される場合には、品質表示をチェックしてそば粉の割合の高いものを選ぶとよいでしょう。
しかし、そば粉の割合が高いから美味しいというものではありません。
そば粉の割合が3割、小麦粉が7割の3割そばでもつくり方によっては十割そばを上回る風味にも仕上がります。
小麦が多いとツルツルした食感が強く出るため、かけそばなど温かいそばで食すのをお勧めします。
乾麺をおいしく食べるための茹で方
とはいえスーパーやコンビニなどで手軽に手に入る乾麺は、「そばを食べたい!」という気分をすぐに満たしてくれるとてもうれしい商品です。そんな乾麺をよりおいしくいただくために、茹で方にこだわって風味と食感の良さを引き出しましょう。
おそば屋さんといえば、大きな釜でぐらぐらとお湯を沸かしている光景が目に浮かびます。これは大量のお湯で茹でることで、そばを入れた時にお湯の温度を下がりにくくするため。
そばは茹ですぎると水っぽくてやわらかくなりすぎ、茹で時間が足りないとねっとりとしてとても残念な食感になります。
これを解消するために、ご自宅でそばの乾麺を茹でる際にもなるべく大量のお湯を用意してお湯の温度をキープしましょう。
ご自宅にあるいちばん大きなお鍋を使い、たっぷりとお湯を沸かしグラグラしている状態で乾麺を投入。お鍋の中でそばがぐるぐると対流し、加熱ムラもなくバランスよく茹でられます。
これは重要なポイントで、必ずグラグラと沸騰した状態を確認して麺を投入するようにしましょう。
鍋にプツプツと小さな気泡が付いているようではまだまだです。
茹で上がったそばは水道水でしっかりと洗い、ぬめりと臭みを取り除くのも大切です。その後、氷水できゅっと引き締めることで、角が立ったおいしいそばへと仕上がります。
ざるそばの場合には水を切ったそばをそのままざるやお皿に盛り、かけそばの場合には水切り後に茹で汁に浸してサイド温めた後に湯切りをし、どんぶりにつゆと共に入れて出来上がりです。
乾麺をおいしく食べるためには「品質表示のチェック」と「茹で方にこだわる」、この2つが重要。生麺に負けないおいしい乾麺のそばをどうぞご堪能あれ!