
出雲更科そば─受け継がれた技と革新が織りなす名品の味わい。
お蕎麦辞典出雲蕎麦
出雲そばの新たな進化形「出雲更科」。
伝統の出雲そばと更科そばの長所を融合し、上品で洗練された味わいをお届けします。
この記事では、出雲更科の特徴や魅力をご紹介します。
目次
出雲更科そばとは?
出雲そばといえば、黒みがかった色と力強い風味が特徴ですが、「出雲更科」は、これとは一線を画す新しいスタイルのそばとなります。
出雲そばの伝統的な味わいと、更科そばの上品な風味を融合させたこのそばは、独自の製粉技術によって生み出されています。
出雲そばの歴史は江戸時代に遡り、松江藩主・松平直政が信濃からそば職人を連れてきたことで広まりました。
従来の出雲そばは、そばの実を殻ごと挽く「挽きぐるみ製法」によって作られるため、そばの色が濃く野趣あふれる濃厚な香りと味わいが楽しめます。
一方「出雲更科」は、そばの殻を取り除いたむき実を使用し、甘皮まで挽き込むことで、一般的な更科そばよりも豊かな香りと深い味わいを持ち、色は淡いクリーム色を帯び、のど越しが良く、繊細な味わいがたのしめます。
出雲更科の特徴
1. 独自の製粉方法が生み出す上品な白さ
出雲更科は、そば殻を取り除いたむき実を使用して製粉されます。一般的な更科そばよりも甘皮を含んでいるため、栄養価が高くそば本来の香りと旨味が引き立つのが特徴です。
2. 滑らかな食感と繊細な風味
一般的な出雲そばが太めでしっかりとした噛み応えを持つのに対し、出雲更科は細麺で滑らかなのど越しが特徴です。
口に含むとほのかな甘みとそばの香りが広がり、上品な味わいが楽しめます。
3. 香りと旨味のバランス
更科そばは香りが控えめなのに対し、出雲更科は甘皮を挽き込むことで、そば本来の香ばしさがしっかりと感じられます。
これにより、出雲そばの風味と更科そばの上品さが融合した味わいです。
4. つゆとの相性
一般的な出雲そばは濃いめのつゆが合いますが、出雲更科は淡めのつゆとも相性が良いです。
かつお節や昆布の旨味を活かしたまろやかなつゆにつけることで、そばの上品な風味がより際立ちます。
出雲更科の楽しみ方
冷たいざるそばで楽しむ
出雲更科の滑らかなのど越しを最大限に活かすなら、冷たいざるそばがおすすめです。そばつゆに軽く浸し、一口すすれば、繊細な風味と爽やかな口当たりを楽しめます。
温かいかけそばで味わう
かつお節や昆布の芳醇なだしの香りともバランスがよく食欲をそそります。ひと口すすれば、そばの風味と旨みが口いっぱいに広がります。
特に寒い季節には、体を温めながらそばの旨味を存分に楽しめます。
薬味の工夫
通常、出雲そばには「もみじおろし」を加えますが、それ以外にわさびや柚子を添えることで、そばの甘みと香りが引き立ち、さっぱりとした後味を楽しめます。
出雲更科そばが味わえる場所
「出雲更科」を味わえるお店は、出雲地区の「そば処神門(ごうど)」では、伝統の技法を活かした出雲更科そばを提供しています。
ここでは、国内産のそば粉を自家製粉し、「挽きたて・打ちたて・茹でたて」の職人の技が光る一杯を堪能できます。
「出雲更科」をお取り寄せ
出雲更科そばは通販でも購入可能です。創業百余年無添加のそばづくりで知られる出雲そばの本田屋が、ご自宅でも手軽に楽しめるよう、商品を取り揃えています。
詳しくは本田屋のオンラインショップをご覧ください。
まとめ
「出雲更科」は、出雲そばの力強い風味と、更科そばの上品さを融合させたスタイルのそばです。独自の製粉方法によって生まれたこのそばは、白く上品な見た目と、滑らかなのど越し、豊かな香りを兼ね備えています。
出雲地方の隠れた名物として注目を集める出雲更科。これまでの出雲そばを愛する人にも、初めて出雲そばに触れる人にも、ぜひ味わってほしい逸品です。
出雲地方を訪れた際には、ぜひその魅力を堪能してみてください。